前回金継ぎについてあれこれ書きましたがいざ実践!
前回の記事はこちら
初めての金継ぎ。漆を使わずエポキシも使わない安全で簡単な方法。
目次
必要な道具
使う道具は主にこの二つ!
- フランクリンタイトボンド
- ぺベオ陶器用彗星アクリル絵の具。
ざっくりいうとこれだけです。あとはオーブンかオーブントースターと、食器洗いのスポンジや布があると良いです。
フランクリンタイトボンドがすごい
伝統技法では漆を使いますが、簡易技法で使われがちなエポキシなどの樹脂系の接着剤は安価で便利ですが安全性が低く説明書を読むと必ず肌に触れる場所に使用しないこと、と明記されています。金継ぎの方法として紹介されている場合も食べ物が当たらない場所、とか口に当たらないようになどとよくよく読むと注意書きがあるのでせっかく器が修復されても食べ物を乗せるものとしては適さないんじゃ仕方ないわけですが、このフランクリンタイトボンドはアメリカの公的国家機関FDA(米国食品医薬品局)による食品安全性承認があります。木工用と買いてありますが陶器に使用可能なのだそうです。熱、水に耐えて安全!わーこんなのが欲しかったー!!(厳密にいうと漆の方が安全性が高いですが、漆で被れるリスクや、ちょこっと使うだけでも多大な手間ひまとお金がかかることを考えると・・・っていうことで今回はこの救世主を使って初めての金継ぎをしてみました。
以前は600円代だったようですが円安なこともあり今は1000円もしますが、それでも一度使ったら終わり、ではなくまた使える感じの作りになっているので置いておけば何度も活用できることを考えるとこのお値段でお皿が直せるのは安いと思います。特にお気に入りのお皿は買い直すとなるともっと高かったりするしそれ以前に割れただけで捨てるなんて悲しすぎるので・・・
金継ぎにおける金粉の名代役、ぺベオ陶器用水性アクリルNO.7ゴールド
このぺベオの絵の具アメリカの画材協会(ACMI)の認可製品につけられるAPマークというものがついていてどんなものか調べてみたところこうありました。
APマークは「一定の基準の安全性を認めている」という意味であり、100%安全ということではありません。ただし、無限にあるリスク(有毒性・有害性)をすべて避けられるとは誰も保証できないため、こういう表現になっているだけで、APマークがついた商品の安全性は高いといえるでしょう。
引用元;studio art pice より
全く無害であるとはいえませんが基本的には無害で安全とされている感じです。100パーじゃないの?!というような気もしますが、いつも使っている食器や器、テイクアウト容器に使われている素材が100%安心かと言ったら多分そんなことは全然なく、そういう意味ではこの表示がついているだけ安全性は高いのかなと思います。耐水で耐熱温度も150度なので人体に流れ込んでくるわけではないのでよしとしました。
いざ金継ぎ開始
まず割れたお皿がこちら
漆の代わり(名代役)フランクリンタイトボンドを塗る
この時、割れた両面に塗って5、6分待ちます。
そして接着します。接着する前にスムーズにできるようシミレーションしておくことも大事です。
ぴっちりとはめるのはなかなか難しかったですがなんとか両手で押さえて、しばらく待ってくっつきました。10分以内にくっつけられないとくっつきにくいと説明書に書いてあるのなるべくスムーズに!
フランクリンタイトボンドで割れたお皿がくっついたところ
くっつきました!はみ出ている部分は気にせずこのままひとまず15分乾かします。
そしたら表面上はある程度乾くのではみ出した部分を爪楊枝や爪で剥ぎ取ります。爪が一番やりやすかったです。ピリピリっと簡単に剥がれるので無理な力をかけずにそーっっと。
そして周りに着いてしまった接着剤などあれば洗ってとります。その時もまだ強度が弱いのでなるべくそっと。
お皿をしっかり拭いたらこのこの状態で24時間乾燥させます。
子供が触らない場所に!笑
そして次の日!いよいよ金を塗ります。
金粉の代わりにぺベオの陶器用水性アクリル絵の具を塗って金継ぎの醍醐味風を味わう
塗ってる写真は撮れませんでしたが塗ったらこんな感じです。
もうそれっぽい!
筆いらずでノズルから直接出るのでモコッとした感じが憧れの金継ぎっぽくてとてもいい感じです。
どのくらい盛り上がっていいのかわからず表はちょっと塗った後にいじってしまったのでふっくら感が減ってしまいましたがやり直しするとどんどんおかしくなる感じなのでここは集中して一気にすいっと絵の具を盛りながらつけていくのがいいと思います。 どうせ一本使い切ることはそうそうないので不要な皿とかで練習してからやってもよかったかも、とちょっと思いました。裏の方がなんとなく上手くできた感じ・・
これが終わったら四日間風通しの良いところで乾燥させます。
四日間乾燥⇨焼成
四日後!最後に、予熱なしのオーブン150℃で35分焼成します。
陶器というものは2000℃くらいで焼き上げられていますが水分が入っていたりして温度差が生まれてしまうと割れる可能性もあるのでこの時しっかり乾いていることが重要っぽいです。絵の具にしてもしっかり乾燥していないと膨張して失敗してしまうこともあるようなので乾燥は抜かりなく!そして35分経った後、とか途中とかで家族の誰かがオーブンを開けてしまわない状況でやることが重要です!!
焼きあがったーと開けてしまって温度が急激に下がってお皿が割れたら最悪なのでお気をつけてー!
無事、休日前のお店のオーブントースターで焼成してそのまま2日間放置して完成しました!(急ぐ場合には2時間くらい待てば大丈夫です)
初めての金継ぎ成功!の例
ジャーン!!いい感じじゃないでしょうか!なんと言ってもお皿自体が素晴らしいので!!
裏はこんな感じ
裏の方が私的に上手くできたような
細部写真
どうでしょうか!
壊れたものがなおった時特に気に入っていたものが自分の力で修復できた時の喜びたるや、そしてこれからも恐れることなく好きなお皿を使おう!と思えますよね。もし割ってしまってもなおして使えるのですから!ああ金継ぎって素晴らしい。
いつか子育てが落ち着いたら漆と金粉を使った本格的な伝統技法でも直してみたいですがしばらくはこれで耐久性や経年変化などを観察しながら楽しんで使っていこうと思います。
皆様も是非トライしてみてください!!
ではまたー
追伸・昨日から家にウッドデッキを作り始めたので次はウッドデッキDIY記録など書けたらなと思います。いつになるやらですが。乞うご期待!
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